大手町に丸の内、有楽町など「オフィス街」と呼ばれる場所は、東京の中心地に多い。毎日数多くのビジネスパーソンが都心に向かって通勤しているが、駅や電車の通勤ラッシュで、始業前から疲れ切ってしまっている人は少なくないだろう。
そんな通勤風景に疲弊した人から、「会社は郊外にあったほうがよいのでは?」という意見が、ネット上に寄せられた。
「仕事のつらさの半分は電車通勤だった」
そんな投稿が書き込まれたのは、Q&Aサイト「発言小町」だ(2017年2月18日)。
最近、都心の会社から郊外の会社に転職した投稿者。職場近くに引っ越し、徒歩通勤しているが、「快適です...。電車通勤ってなんて辛かったんだろう...」と痛感している。
満員電車や遅延に悩まされていた日々を、「仕事のつらさの半分くらいは電車通勤がいけなかったんじゃないか」と振り返り、新たなビジネスライフを満喫しているようだ。
都心に職場を構える多くの会社にとっては、「取引先と近くて営業周りしやすいとか、隣県などからも人を雇いやすいとか」といったメリットが推測できるが、それにしても、
「これだけ従業員のストレスが違うんだったら、会社は郊外にあったほうがいいのでは? と思うのですが」
「郊外にあれば土地代も安かろうし、社員のメンタル維持コストも浮きそうだし、なかなかいいと思う」
などと、「郊外での勤務はいい」と訴えている。
寄せられたコメントの中には、投稿者同様、勤務地が都心から郊外に移ったという人から賛同の声が寄せられている。
「車通勤なのですが、東京ほど人が多くないので渋滞もないし、満員電車のストレスとは皆無で、買い物もネットで今はほとんど出来るので何も困らず、かつ土地代が安いので、その分家にお金をかけることが出来、都会に住んでいたときより、家にいることの快適さも格段に上がりました」
「私も都内に7年勤めてから隣県に転職して、今は自転車通勤でゆったり暮らしています。都内ほど店や品物はありませんが、前職では通勤で余裕がなく、ほとんど仕事帰りは家に直帰していたので昔から都会を満喫していた訳ではなく。40才を越えた今になっては、今の居住環境でなければこれほど長く仕事を続け、これだけの収入は得られなかったろうとつくづく思います」
など、ストレスフリーな生活を送れるという点で、郊外勤務に賛成している。
刺激のなさがストレスになる人も
一方で、「やっぱり都心がいい」との意見も、たくさん書き込まれている。
「日本全国に事務所がある会社は、飛行機・新幹線がある都内が便利。仮に沖縄に本社を移したら、会議なんかテレビ会議にでもしない限り、北海道の営業所が大変だよね。研修も大変。やはり双方にとっても物理的にも都内が中間地点で便利だと思う」
「たとえば営業の方はどうするのでしょうか? 毎日、地方からお客様のいる都会に出るために何時間もかけて出ていくことになり、時間の無駄使いになってしまいますね」
「独身で気軽な時代を除くと、社会人の大多数は自宅に縛られています。引越しが出来ない前提で、多くの人が通いやすいのは、交通至便な都会になります」
などと、会社が都心にあることの必然性を説いている。
さらに、投稿者とは反対に勤務地が郊外から都心に変わった人からは、
「今まで郊外だった時は、昼食は弁当か社食しかありませんが、今は都心のため、外にランチに出かけられますし、仕事帰りの買い物も便利です」
「以前、郊外の事務所にいたけど、銀行も郵便局も法務局も社会保険事務所もハローワークも商工会議所も税理士事務所もなにもかもがすべて遠いし食事するところもないし、昼休みに息抜きもできやしない。ストレスたまって大変でした」
「郊外は近すぎて会社の延長に自宅自宅の延長に会社って感じだし、刺激がなかったな。すぐに飽きました」
と、むしろ郊外の職場のほうがストレスを感じていたとの声も寄せられた。
外出が多かったり、他社と顔を合わせる機会が多かったりする仕事なら、やはり都心の方が便利そうだが、そうでなければ、自分のライフスタイルや生活に合っているかいないかが決め手のよう。
あなたは都心での勤務と郊外での勤務、どちらがいい?(MM)