その8「コンビニの年齢確認」 【こんなものいらない!?】

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「私どもには責任はございません」

   いや、僕は何も成年、未成年の確認はどうでもいい、未成年にも酒類をどんどん売れと主張しているわけではない。そうではなくて、かなりのコンビニがやっていることは、まさに「無責任」「責任逃れ」ではないかということである。

   もし、未成年の飲酒にからんで何か問題が起きたとする。そんな時、コンビニはなんと答えるだろうか。多分――お客様に「20歳以上ですか」とお尋ねしたら「はい」とおっしゃいましたので、お酒をお売りしました。私どもには責任はございません。はい、責任はお客様にございます。

   無責任、責任逃れを別の角度から言うと、「思考停止」である。僕のように一見して先は長くなさそうなジジイに対してまで「20歳以上ですか」である。頭の中は空っぽとしか思えない。

   思考停止は店員だけではない。客もそうである。セブン‐イレブンの店頭にしばらく立って眺めていると、酒類を買った客は全くためらうことなく、「20歳以上ですか」に「はい」を押している。飼いならされた犬みたいである。

   このような無責任、責任逃れ、そして思考停止は確実に日本の社会をむしばんでいくだろう。いや、すでに、かなりむしばんでいるはずである。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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