「聡明で優秀な女性社員が部下として配属されました。ふと気がついてみると、個人的な感情が芽生えているような......。わたしはどのように平常心を保てばいいのでしょうか」
あなた大丈夫? セクハラで訴えられる一歩手前だよ。管理者として失格だね。
企業が一番嫌うハラスメント
確かに素敵な女性が部下として配属されれば、心は揺れる。それは男として仕方がない。
しかしあなたは男であると同時に管理者だ。その自覚を忘れてはならない。
色にいでけり我が恋は、という言葉があるけど、好意は隠すことはできない。いずれ表に出て、職場の雰囲気を乱すことになる。そして彼女から、あるいは周囲からセクハラの噂を立てられ、あなたは失脚することになるだろう。
あなたは妻帯者なの? それならもっと自重しなさい。今まで築き上げた会社内での評価が一瞬にして崩れ、家庭も崩壊することになる。おどかしているんじゃない。そんなケースをいっぱい見てきたから、注意を促しているんだよ。
セクハラは、企業が一番嫌うハラスメントだ。なにせ職場には嫉妬深い女性社員が多いからね。彼女たちの機嫌を損ねたら、円滑に動いている業務がストップしてしまう。それにセクハラで訴えられたら、加害者本人だけじゃなくて会社も損害賠償責任を負うことになるから。
えっ、なんだって? 彼女が好意を持ってくれているって? あなた馬鹿じゃないの。
少しぐらい彼女があなたにやさしく接してくれたり、バレンタインデーや誕生日にお菓子をくれたりしても、それに動揺してはならない。
「彼女、俺に好意があるんだ。少し押せば、物にできるかもしれない......」
彼女は、あなたが上司だから好意的に振る舞っているだけ。それを誤解して関係を深めようとして失敗する男性幹部は数知れない。