舌噛みそうなメニューを逆手に 高級レストラン楽しむ「私流」

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最も難解な料理選び「ふむふむ」

   メニューを渡されると、アラカルトにせよコースにせよ、何種類もある横文字の羅列から、最も食べやすそうでボリューム感もちょうどいいものを、数十秒で選ばなければならない。あれこれ迷っていると、ディナーの相手にも失礼だし、ウェイターとのコミュニケーションも難易度が高くなる。あれこれ尋ねすぎるのも田舎者っぽくていけないが、全く口を聞かず、目を合わせないのも失礼であろう。

   そこで考えたのが、「いちばん名前の難しそうなメニューについて質問し、ふむふむと納得した顔でうなずくのを1~2回やる」というスタイルである。

   「この『三陸産の魚介のカルファタ包み、カルトッチョスタイル』というのは、どのようなお料理ですか?」これである。メニューの中で最も難解そうな料理なら、どんな内容か聞いてもおかしくないだろう。ウェイターの説明を「ふむふむ」といった調子で納得して聞き、それを注文する。

   1回のディナーで何度もやると面倒臭がられる可能性があるので、1~2度にとどめる......と、自分なりに「高級レストランでもオドオドしない方法」を考えて実行しているが、本当はこんな小細工をせず、堂々と味わいたいといつも思う。(北条かや)

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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