舌噛みそうなメニューを逆手に 高級レストラン楽しむ「私流」

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   こんな私でも、仕事のお付き合いで時々、高級レストランで食事をすることがある。ふだんは「一般庶民が分不相応なミエ消費をするなんてバカバカしい」とか思っているくせに、人に連れて行ってもらうときは、しなしなと笑顔でキャビアやらフォアグラやらを胃に詰め込んでいるのだから、我ながら浅ましい。そんなだから、高級レストランでは振る舞い方がよく分からずオドオドしてしまう。「自分など、ここにふさわしくないのでは」と不安になっているから、どう振る舞えばいいのか分からないのである。堂々と美味しい食事を味わうにはどうすべきか。

  • 「飲みやすさ」で選んではワインに失礼?
    「飲みやすさ」で選んではワインに失礼?
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赤ワインだけ苦手なもので......

   まずはワインリストであるが、賢そうなウェイターを前にして、どれをどう頼めばいいのか分からない。高い酒の味が分かるほど舌が肥えていないにもかかわらず、良いワインを飲もうとしている罪悪感もある。とりあえず「飲みやすいのはどれですか?」と聞いてみるが、「味の違いではなく単なる飲みやすさだけで選ぶなんて、高いワインに失礼では」との思いが消えない。

   そこで開発したのが、「普段あまり赤ワインを飲まないのですが、初心者でも飲みやすいものはどれですか?」という改良型だ。これなら「普段はお酒を飲んでいるし、味もそれなりに分かるのですが、赤ワインだけが苦手で......でも今日はちょっと試してみようかなと思っているんです」という雰囲気が醸し出せる。

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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