日本にはまだまだ「有給休暇を使いづらい」風潮がある。すでに当会社ウォッチでも取り上げたように、「有給休暇国際比較調査2016」によると、日本の有給消化率は世界最下位だという(2017年1月4日「働き蜂の日本人、なお変わらず 有休消化率ワーストに返り咲き」)。
「実態に即してなさすぎる」
そんな事態に風穴を開けるかもしれない提言が近く発表されるという。
2017年1月25日付毎日新聞の記事によると、政府の規制改革推進会議の人材作業部会が「有給休暇を勤務開始日から取得できるようにすることを会社に義務づけるよう労働基準法を改正すべきだ」との意見をまとめ。近く推進会議で正式に決定し、厚生労働省に提言するという。
記事によれば、現行法では「使用者は6カ月継続勤務した労働者に対して10日の有給休暇を与えなければならない」と規定されており、会社は入社半年未満の社員に有給休暇を与えなくてもよい。が、そのことが「転職への阻害要因にもなっている」として、人材部会は見直しが必要と判断したという。
ところが。
このニュースに対し、ツイッターは総ツッコミ状態。
「こういう政府の有識者会議って、ろくに現場で働いた事がない人があれこれ言ってるのが丸わかりで、ホント腹立たしい。中小企業なんて有給休暇制度が有名無実化している会社ばかりでは? そんな基本的な事もわからないでピントのずれた事言わないでくれ」
「さすがお役所、実態に即してなさすぎる。そんなことより有給休暇の取得率が低い企業に罰則を科すほうがよほど労働環境改善につながるのに」
「今日からよろしくお願いします!→あれ?先日の新入りあれからずっと会社休んでない?→え?初日来ただけでそのまま辞めた?!」
「いいけどそんなやつワイルドすぎるw」
「体調以外で入社日に休みたいヤツいるか?w」
部会の言わんとするところは「6カ月継続勤務を待たず初日から」なのだろうが、たしかに打ち出しとして「勤務開始日から」と聞けばネット民たちのような反応が返ってきても不思議はないかも。提言の時点で働く人たちに十分理解されるか、見守りたい。(KM)