4月契約から生命保険料値上げ ただし駆け込み契約は慎重に

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   日本生命は月払いの個人年金保険や学資保険、終身保険など貯蓄型保険の保険料を2017年4月から引き上げる。日銀のマイナス金利政策の影響で市場金利が下がり、運用利回りが低下するためで、引き上げ幅は2~4%程度。

   生命保険会社が契約者に約束する運用利回り(予定利率)は、金融庁が定める「標準利率」をもとに各社が決める。標準利率は4月に1.00%から0.25%に引き下げられるため、日本生命以外の各社も予定利率の引き下げによる保険料値上げを検討中だ。

  • 駆け込む前に、慎重に検討を
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今後安くなりそうな保険も

   毎年10月1日を基準日として、過去の一定期間の市場金利実績から基準となる利率(基準利率という)を計算し、その基準利率が現行の標準利率から0.5%以上離れた場合に新しい標準利率を設定し、翌年の4月1日以降の新規契約に適用するルールがある(一時払い保険は除く)。

   標準利率が引き下げられると、保険会社はその分だけ保険金の支払いに備えて積み立てる責任準備金を積み増さなくてはならない。責任準備金の財源は契約者が支払う保険料であるため、保険会社は新しい標準利率が適用される月の新規契約から予定利率を引き下げ、保険料を引き上げる可能性が大きい。

   保険料を決める要素は、生存率・死亡率の指標となる「生保標準生命表」(公益社団法人日本アクチュアリー会)、予定利率のもととなる標準利率(金融庁)、人件費や物件費などを見込んだ予定事業費(各社)の3つ。これらをベースに「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」という3つの予定率が計算されている。

   4月の標準利率の引き下げによって、保険会社は資産運用による収入が減る前提で商品設計するので、契約者が支払う保険料は値上げ傾向となる。特に貯蓄型保険で顕著で、運用環境の変化に応じた改定が今後も行なわれる。

   2018年以降に予定されている生保標準生命表の改定は、長寿化による死亡率の低下が反映され、掛け捨ての死亡保障商品(定期保険や収入保障保険など)は保険料が下がりそうだ。一方、長寿化による医療や介護リスクから、医療保険や介護保険などは値上げが予想されている。

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