「だ・である」で書いていいか 【エントリーシート2】

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交ぜるにはこなれた文章力が必要

   敬体・常体のいずれの場合でも気をつけたい注意点を挙げます。

(1)文体の統一

   あえて、常体・敬体を混在させることがあります。このコラムでも、基本は敬体ですが、ところどころ常体が交じっています。

   ただ、就活生がそれをエントリーシートで真似をするには、相当にこなれた文章力が必要です。どちらを選ぶにせよ、全体を統一したほうが書きやすいでしょう。

   【例1】私の強みはコミュニケーション能力だ。というのも、友人からよくそのように指摘されるからです。今後もその強みを活かしていきたい。

   【添削1A】私の強みはコミュニケーション能力だ。友人からもよくそのように指摘される。今後もその強みを活かしていきたい。

   【添削1B】私の強みはコミュニケーション能力です。友人からもよくそのように指摘されます。今後もこの強みを活かしていきたいと思います。

(2)常体には敬語を混ぜない

   常体に敬語を混ぜると、文体が統一されていない、となってしまいます。

   【例2】貴社の理念に共感し、応募させていただいた。

   【添削2】貴社の理念に共感したので、応募した。

(3)敬語表現が正しいかどうか

   敬体を使う場合、敬語表現が正しいかどうか、ここが重要です。丁寧語か謙譲語か尊敬語か、過剰敬語になっていないかどうか、などをチェックしましょう。

   【例3】先生がおっしゃられていました。

   【添削3】先生がおっしゃっていました。

   こういう敬語表現、社会人でも間違えやすいものです。まして普段あまり敬語表現を使わない学生がエントリーシートでわざわざ使うとどうでしょうか。結構、間違えてしまう、という可能性が高くなります。

   そのリスクを考えれば、私は常体のほうがいいのでは、と考える次第です。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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