営業は「無から有」を生む仕事 持ち味発揮して取り組めばよい(江上剛)

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攻め落とせば領地が増える

   しかし私は好きだった。なぜなら営業は「無から有」を生む仕事だと思っていたから。

   客をどうやって攻略するか。まったく縁もゆかりもない客をどのように攻め落とすか。情報を集め、作戦を考え、上司や周囲を巻き込んでいく。そして一気に攻めるか、それともじわじわと攻めるか。どれをとっても、何もない「無」からすべてを勝ち取る「有」にする仕事。まるで戦国武将のような、相手を攻め落とせば領地が増える「切り取り勝手放題」に血が騒いだものだったね。

   あなたは営業に向いていないと自分で言っているけど、向いていると自信を持っているから成功するとは限らない。あなたの持ち味を発揮すればいい。速攻型の信長、知恵者の秀吉、熟慮型の家康、彼らを営業マンだと考えると、みんなそれぞれが自分の持ち味を発揮したんじゃないのかな。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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