スーパーやコンビニのレシートをふと眺めると、レジを担当した店員の名前が印字されていることがある。飲食店で注文した品を運んできた店員の胸元や腰のあたりに何気なく目をやると、名札を付けていることが......。
大多数の人は特に気にも留めず流し見て終わるだろうが、情報化が進む現代社会で、この状況は危険きわまるという指摘もある。新聞の投書欄に意見が掲載され、ネット上で議論が交わされている。
「近くに住んでいるんですか」
朝日新聞(2017年1月14日付)の「声」欄に、「担当者名のレシート印字は危険」という読者投稿が掲載された。
投稿した大学生は、小売店でアルバイトをしていた際、担当者のフルネームがレシートに印字されていた。ある日知らない人から、「レシートに名前があったので検索しました。バイト先の近くに住んでるんですか?」とSNSでメッセージが寄せられ、「ぞっとしました」という。SNSは退会、店長に事情を話してレシートに印字するのは名字だけとなったが、不安が残り、ほどなくアルバイトを辞めたそうだ。
接客の内容に責任を持たせるためなら、店側だけわかるよう番号を担当者に割り振ってそれを印字するのでもよいのでは、と提案する投稿者。
「従業員のプライバシーを守り、安心して長く勤められる環境づくりは大切な取り組みだと思います。店長さんや企業の担当者の方、ぜひ検討をお願いします」
と訴えている。