結論から言おう。女性専用車両は日本の女姓を駄目にする。
中国から来た留学生の女性が初めて「女性専用車両」に乗った。びっくりした。日本って、すごい国だ。女性を大切にしている。先進国って、こういう国のことなのね。その後も彼女は何回か、女性専用車両に乗った。普通の車両に比べて、化粧している女性が目立つ。手鏡をチラチラと見ている女性も、普通の車両よりは多いみたい。「先進国って......」という気持ちは少しずつ消えていった。
故郷の両親にはとても言えない
やはり中国からの留学生で別の女性。周囲にいる女性の同級生の話題といったら、「おいしいものを食べること」と「男の子、つまりセックス」だけ。それ以外には関心がないみたい。偏差値のそれほど高くない大学に入ったせいかも知れないが、同じ女性として、ちょっと恥ずかしくなる。故郷の両親は娘の日本留学を誇りに思っている。とてもこんな話は言えない。
もちろん、そんな女性ばかりではないのは当然のことだが、以上のような方たちも含めて、女性は女性専用車両に乗ることができる。
以下も中国人女性に聞いた話だが、彼女は大阪で働いていて、ある日の帰宅途中、たまたまJRの女性専用車両に飛び乗った。すると、座席に50歳くらいの男性が座っていて、その前にはやはり男性の駅員らしいのが3人立っている。乗客の女性たちはかなり離れたところに避難している。
無言で居つづける男性がいた
彼女は「おや、何ごとが......」と聞き耳を立てた。駅員は座席の男性に「ここは女性専用車両ですから、降りてください」と頼んでいる。だが、その男性はいっさい答えず、動こうともしない。「ただいま車内でトラブルが発生しました。発車まで少々お待ち下さい」との車内放送が流れた。
やがて、駅員たちは1人を残して2人が降り、列車は動き出した。車内に残った駅員は座席の男性の前にじっと立っている。座席の男性を監視するためらしい。中国人の女性は自宅のある3つ先の駅で降りたが、監視する側、される側はまだ黙ったまま乗っていた。結末は見損ねてしまった。
女性専用車両なるものが各地にできたのは、満員の車両で女性が痴漢に遭うのを防ぐためであろう。でも、女性がみんな、先に書いたような人たちではないのと同じく、男性もみんなが痴漢ではない。女性専用車両は、まず大多数の男性に対する侮辱である。
同時に、女性専用車両は女性に対する侮辱でもある。それは女性を「痴漢される側」つまり「セックスの対象物」としてしか見ていないからだ。だからこそ生まれたものではないか。しかも、女性はそれを唯々諾々と受け入れて、女性専用車両にこもってしまう。人によっては、化粧に精を出す。自らの存在理由をもっぱらセックスの対象物と認めてしまうことではないだろうか。
冒頭で「女性専用車両は日本の女性を駄目にする」と言ったのは、そういうことである。(岩城元)