その5「女性専用車両」 【こんなものいらない!?】

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無言で居つづける男性がいた

   彼女は「おや、何ごとが......」と聞き耳を立てた。駅員は座席の男性に「ここは女性専用車両ですから、降りてください」と頼んでいる。だが、その男性はいっさい答えず、動こうともしない。「ただいま車内でトラブルが発生しました。発車まで少々お待ち下さい」との車内放送が流れた。

   やがて、駅員たちは1人を残して2人が降り、列車は動き出した。車内に残った駅員は座席の男性の前にじっと立っている。座席の男性を監視するためらしい。中国人の女性は自宅のある3つ先の駅で降りたが、監視する側、される側はまだ黙ったまま乗っていた。結末は見損ねてしまった。

   女性専用車両なるものが各地にできたのは、満員の車両で女性が痴漢に遭うのを防ぐためであろう。でも、女性がみんな、先に書いたような人たちではないのと同じく、男性もみんなが痴漢ではない。女性専用車両は、まず大多数の男性に対する侮辱である。

   同時に、女性専用車両は女性に対する侮辱でもある。それは女性を「痴漢される側」つまり「セックスの対象物」としてしか見ていないからだ。だからこそ生まれたものではないか。しかも、女性はそれを唯々諾々と受け入れて、女性専用車両にこもってしまう。人によっては、化粧に精を出す。自らの存在理由をもっぱらセックスの対象物と認めてしまうことではないだろうか。

   冒頭で「女性専用車両は日本の女性を駄目にする」と言ったのは、そういうことである。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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