ストレス・パラドクス意識せよ 部下の相談を傾聴できる上司は

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あほうとり上司をやめよう

   そうはいっても、上司はカウンセラーではありません。どんなに優れた上司でも、多忙にかまけてついつい「あほうとり上司」になっていることがあります。あほうとり上司とは、部下が真剣に悩みを打ち明けようとしても、忙しかったり、疲れていたり、他のことを考えていたりしていて、話を聴きながら、

「あ」くびをする
「ほ」お(頬)杖をつく
「う」で(腕)を組む
「と」けい(時計)をチラチラ見る
「リ」ズムを刻む(貧乏ゆすりなど)

という態度を取ってしまう人を指します。その頭文字をとって私は「あほうとり上司」と呼んでいます。

   上司がこのような有様では、部下のほうは、上司の邪魔をしてはいけない、迷惑をかけてはいけないと気を回して相談を途中でやめてしまいます。最近では、パソコンに向かいながら話を聴くこともあるでしょうが、相談する部下にすれば、本当にまじめに聴いてくれているのか、と不安になるかもしれません。

   上司の方々は、部下からの相談にしっかりと耳を傾けることを、ぜひ今年の目標になさってください。また、ストレスに対する正しい知識を身につけるために、当コラム「職場ストレス大解剖」をお読みになってください。

   今年こそ、部下の健康を守るメンタルヘルス維持を心がけ、職場の生産性を向上させたいものですね。(佐藤隆)

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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