すでにお正月のことなど遠い彼方。読者の皆様は、それぞれの職場で、全力をあげて課題に取り組んでおられることでしょう。
「ストレスチェック義務化」も2年目に入ります。2017年のメンタルヘルスの課題としては、上司の「傾聴」と「ストレスの知識を持つこと」に重点を置きたいと考えております。
短絡的に考えてはいけない
年が改まろうと、職場におけるストレスの重要課題の一つが「人間関係ストレス」であることに変わりありません。その対策として、上司に対する「部下の話を傾聴する研修」が各社で行われています。
話をしっかりと聴いてくれる上司は、部下の気づきを高め、自分で問題解決をするよう促し、それを成長につなげ、メンタルヘルスの状態を向上させます。学術研究でも「話せる上司のいる職場は明るい」ことが知られています。
最近の研究では「高いストレスを示す集団や個人」は、確かにリスクもありますが、意欲が高く、幸福感が強い人が多いという傾向が示されています。これを「ストレス・パラドクス」といいます。
職場に「ストレスの高い人」がいた場合でも、即座に問題だと思い込まず、まずしっかりと話を聴きましょう。そのうえで、ストレスチェックを受けてほしい、問題があったら医師に相談してほしい、と部下に伝えましょう。「高ストレスと判定された人」イコール問題あり、と短絡的に考えて不利益を与えてはいけないことは、法の趣旨でもあるのです。