個人の金銭感覚には、生まれ育った家庭環境ばかりか、住んでいる地域の風土も関係しているようだ。ソニー生命が2016年12月に結果を公開した全国47都道府県の金銭事情の調査でも、お金にまつわる地域性が見てとれる。
おばあちゃんから、バイトのお客さんから
同調査では、おこづかい、貯蓄額、自己投資にかけている費用を聞き、平均金額のランキングを算出した(調査対象:調査協力のネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の20歳~59歳の男女/調査期間:2016年9月7日~9月15日)。
「1か月のおこづかい」について平均金額を見ると、1位は「東京都」の4万5850円、2位は「茨城県」で3万6750円、3位は「神奈川県」で3万3550円だった。全国平均は2万7278円。
1位の東京都、3位の神奈川県はともかく、ちょっと意外なのは2位の茨城県。なぜ、おこづかいが多いのか。ツイッターからヒントとなりそうな声を拾ってみると、
「今から1人電車でおばあちゃんちへ。2時間の茨城への旅。大好きなワンちゃんに会えるし、おこづかいもらえるからうれしい」
「茨城です! 最寄り駅の駅員さんと仲良くなってしょっちゅうジュース買ってもらったりバイトのお客さんのお釣りからおこづかいもらえたり。田舎ののほほん感いいですよ?」
「日帰りで茨城帰って。車もらえて、おこづかいもらえて、新居の家まで見れたし一緒にご飯食べに行けて、ディズニーのお土産までもらえた^_^」
「今日は姉妹揃って茨城までお葬式に行って、なぜかお香典の倍返しのおこづかいを貰ってしまい、戻って豪勢に焼肉食べてたら、会社からお呼び出しの電話が...」
「(「お盆玉」と書かれたポチ袋を見つけ、「余計な文化を増やすな」というツイートに対し)余計な文化と見つけた方はおっしゃってますが、茨城県鹿行地域で『盆こづかい』という形でありました。香取にはなかったけど、親戚の家に行くと『盆こづけぇやっから!』ってもらってました」
などなど、祖父母や親戚、身近な人からおこづかいをもらう機会が多い土地柄であるらしいことが分かる。こうした気前のよさ、金のめぐりのよさが、月々のおこづかいの潤沢さにつながっているのだろうか。
非日常に金を使い、日常で渋る県とは
次に「現在の貯蓄額」について平均金額をみると、こちらも1位は「東京都」で1124万円、2位は「静岡県」で1076万円、3位は「神奈川県」で921万円となった。
さらに「自己投資に1か月でかけている費用」について平均額をみると、1位は「東京都」で1万1295円、2位「京都府」で8510円、3位「香川県」で8235円となった。こちらもやや突出した印象を与える香川県について、ツイッターを探ってみると、
「研修会終了。香川・高松まで自費で来て、自己投資の自己研鑽。えらいじゃん、私」
「貯蓄率が高いのでケチはケチなんだが、『見栄を張れる機会』にはかなり一気に使う傾向が香川県人にはあると思う。非日常に金を使い、日常で渋る。だから、うどんは安い」
「香川は小さいのに一番見栄張ってますからね。四国は香川県を中心には回らないですからね。俺は好きですけど←愛媛県民」
「松山市は四国最大の人口を有する都市だが、国の出先機関などは香川県高松市に集中している」
といった声があがっていた。煎じ詰めると、「四国で一番小さい」が「国の出張機関が集中している」こともあってプライドが高く、その結果自己投資にかける金額も多い、と解釈できるかもしれない。(KM)