2016年の暮れも押し詰まったころ、Q&Aサイト「発言小町」に年賀状についての相談が寄せられた。タイトルは「年賀状で気に障ることを書かれたら」というもので、何年にもわたって年賀状のやり取りをしてきた同級生との確執に悩む女性からの相談だった(2016年12月28日公開)。
「言い返したい自分がいる」
投稿者の女性によれば、その同級生からは以前、会うたびに心ない言葉をぶつけられ、ここ十数年ほどは会っていないという。それが、どこから情報を入手したのか、2016年の正月に届いた年賀状には女性の夫の職業にけちをつけるようなことが書かれていたのだという。
女性の夫は学校に勤めているが、その年賀状には「自分の子どもは私立に行かせている」、「私たちの母校も少子化で一学年の生徒数が二桁なんだって。大丈夫かしら」と書かれていた。
女性は「遠回しに夫の職場も危ない」と匂わされたように感じ、
「2017年の年賀状では言い返してしまいたい自分がいます」
と悩みを打ち明けたのだった。
反応として多かったのは「なぜ、そんな人と年賀状のやりとりを続けているのか」という疑問。
「年賀状だけとは言え、付き合いを続ける意味・意義は? 自分で、人間関係整理したら?」
「私は年賀状だけの関係の人でも、またいつか会えたらいいなと思う好きな友人にしか送ってません」
「年賀状だけの付き合いなら止めても問題は無いのでは? 印刷だけのあたりさわりのない年賀状を出す。あなたが反応するから相手も意地悪したくなる。相手にしないのがいちばんです」
と、もう相手にするなとアドバイスする人が多かった。なかには、
「ちょっと神経質になりすぎかな」
となだめる声もあったが、女性にいわせれば、同級生の言葉に反応するのには根深い過去が関係しているという。
「言い返せば相手と同類ですよ」
その同級生には「早く結婚した者=勝ち組」という態度をとられ、結婚式でも、わざとらしく投稿女性の隣に座っていた人にブーケが手渡された。ある年には年賀状として「住所変更を兼ねた暑中見舞いの余り」が送られるなど、今まで「信じられないほどバカにされた」と腹に据えかねているらしい。
女性が年賀状を出せないまま迎えた2017年の正月、その同級生から届いた年賀状を見ると、女性の苗字が間違えて印刷してあったという。回答者たちからの「スルーを」という意見に不承ぶしょううなずきかけていた女性も、やられっぱなしで終わりたくないという気持ちが再燃した。それに対しても、
「言い返したら同じレベルになっちゃいますよ。スルーしましょう。印刷だけの葉書を出しておけば良いでしょう」
「気にしないこと。ただそれだけのことなんですけど、難しいですか? 言い返せば相手と同類ですよ」
といった説得が試みられた。
年賀状にモヤモヤした気持ちを抱く人は多いようで、同じ「発言小町」には「年賀状の不要な一言に目が点」といった投稿もあった(2017年1月2日公開)。妊活中の女性に友人から、赤ちゃんと一緒の家族写真をあしらった年賀状が届き、「辛い思いをさせたらごめんね」と書かれていたという内容だ。
また、自分は元旦に届くよう出しているのに、相手からは届かず「毎年、年始には年賀状ブルーになる」といった悩みもあった(2017年1月2日公開)
最近では年賀状を「卒業」する人も多いようだが、それもまた一つの選択なのかもしれない。(KM)