職場で意外に難しい仕事の一つが「社外の人からかかってきた電話への応対」ではないだろうか。それなりに社会人経験を積んだ人でも、「どう応じればよいのか......」と苦慮する状況が少なからずありそうだ。
ネットで検索すると、ビジネス電話のマナーを指南するページも数々ヒットするが、現場からはそうしたマニュアルを鵜呑みにしていいものか、と心細げな声が聞こえてくる。
そもそも「席をはずしている」とは
Q&Aサイト「OKWAVE」に、「『席をはずしている』の使い方」というトピックが立てられている(2016年12月13日)。
事務職をしている投稿者。社外からの電話を受けた時、当該の担当者がトイレに立っていると「ただいま○○は席をはずしておりますので、折り返しご連絡してもよろしいでしょうか?」という言い方をしているそうだが、この対応で正しいのか不安だという。
自身が他社に電話した際、
「○○は本日席をはずしております(お休みしている、の意)」
「○○は席をはずしており、今日は戻りません(直帰の意)」
「○○は席をはずしています。戻りは3時間後になります」
など、同じ「席をはずしている」でも様々な使われ方をしていて、本当はどういう意味なのか分からなくなってしまったようだ。
投稿者は、「すぐ戻ることができる状態」、「ごく短い時間デスクを離れている状態」、あるいは「トイレに入っていることを遠回しに言っている」が「席をはずしている」だと認識していて、外出している場合は、
「○○はただいま外出中です(○時頃戻る予定です)」
「○○は本日研修に出ており、戻りません」
などと答えているそうだ。はたしてそれでいいのだろうか。
相手の都合のいい時間を聞いて
回答者からは、
「席をはずす=数分後、せめて数十分後には席に戻る場合にのみ使う。つまり貴方の認識で良いです」
「出張したり研修に行ったりしているなら、普通その日は出てきません。それは席をはずしているのではなく、不在です」
など、「席をはずしている」の使い方は投稿者の考え通りでよろしい、というお墨付きが多く寄せられた。
ただし、「折り返し」や「帰社予定時刻」については注意すべしとのアドバイスも。
「『折り返しご連絡』これは相手に対して『電話するまで待て』と言ってるのと同じです。折り返しの電話がいつ来るか、10分後か、1時間後か、相手はそれをじっと待たなければならない、失礼な申し出です」
「不在の場合は『何時には戻ります』などと言わないほうがいい。出先で何が起きるかわかりませんから、ホワイトボードに帰社予定15時なんて書いてあってもそれを読み上げないほうがいい。それは、15時にまた電話してくれ、と命令しているのと同じだからです。何時ごろお戻りですか、と訊かれたら答えてもいいけど、自分からは言い出さないように」
サイトによっては、「折り返します」「○時頃戻ります」と告げるようアドバイスするところなどもあるが、それはマナー違反だと感じる人も少なくなさそうだ。
「席を外しておりますので、折り返しのご連絡でよろしいでしょうか?の時は、相手の時間の都合を聞いて、その時間に連絡してもらうようにしたらいかがでしょうか」
「席を外しておりまして、いかがいたしましょうか?戻りましたら、ご連絡差し上げましょうか?みたいなんで、どうでしょう?」
と、上手な受け答えの例も寄せられた。(MM)