新春に贈る「オヤジの小言」 経営者に心してほしい7か条

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イスを譲れない経営者、心せよ

   五、家業には精を出せ

   社長といえども社長のイスにあぐらをかくな、ということです。今風に言うなら、社長も現場を忘れてはいかんという意味。現場を顧みず社長室にこもってばかりいるような社長では、「現場の実情も知らないで何を言っているのか」と部下もついてきません。

   社長業が忙しく、本人に手抜きの意識はないとしても、やはり「答えは現場にある」ことをお忘れなく。

   六、何事も分相応にしろ

   「馬とフェラーリには手を出すな」とはサイバーエージェントの藤田晋社長の名言。彼によれば、一時期の成功を手にした起業家仲間のうち、にわか馬主になったり超高級車を購入した人はことごとく失敗に転じているのだと。

   私も、好調時に華美にすぎるオフィスに移転して社業を傾かせた経営者を複数見ています。「分相応」は上り調子の時こそ肝に銘じるべき教えのようです。

   七、子の言うこと八九聞くな

   八九とは、8割9割。文字通りの解釈なら「子どもの言うことは8割9割聞くな」なのですが、真の意味は「すべて否定せずに、1割2割は聞け」という忠言です。簡潔に言うなら、「子を信じよ」と。

   なかなか後継にイスを譲れない、譲ってもあれこれ口出ししすぎる経営者に、最も心してほしい言葉です。いずれあなたはいなくなる身なのだから。

   以上、新年にあたり、還暦が視野に入ってまいりました私から賢明なる経営者の皆様に宛てて厳選いたしました「オヤジの小言」でございます。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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