東京都内・大阪府内に電車を使って通勤・通学している人の50%以上が片道1時間以上かけていることが、マクロミルの調査で分かった(2016年10月11日結果公表)。
1時間くらいの通勤時間なんて長いと感じない、というビジネスパーソンも日本には多そうだが、海外の研究では、「45分以上かけて通勤していると離婚率が高まる」という由々しい結果が出ている。
5年以上続けている場合は
気になる研究は、ウメオ大学(スウェーデン)のErika Sandow氏が発表したものだ(2013年8月7日)。
01年から05年の5年間の調査で、夫婦のどちらか、または両方が片道45分以上の長距離通勤をしている夫婦は、そうでない夫婦より平均して40%、離婚のリスクが高いことが明らかになった。
ただし、そのような長距離通勤を5年以上続けている場合は、短距離通勤の夫婦とほぼ同じ離婚率だった。また、結婚した時点ですでに長距離通勤をしていた場合も離婚率は低くなった。長距離通勤が生活の一部になっていると、夫婦の危機の原因にはならない、と考えられる。
この研究結果を受け、米国のインバウンドマーケティング会社「Hubspot」の共同創業者、ダーメッシュ・シャー(Dharmesh Shah)氏は、SNS「LinkedIn」で、なぜ長距離通勤で離婚率が高くなるのかを考察(13年10月2日)。
「子供がいる場合、どちらかが家の近くで働かなければならなくなるため、そうなった夫または妻が自身のキャリアに不満を抱き、育児や家事で大きな負担を抱えることにもなる」
「長距離通勤はパートナーや子供との関係を維持する時間を奪う」
「長距離通勤のストレスに見合うほどの給料が得られているケースは少ない」
「特に渋滞や遅れがよく発生する場合、ストレスが多くなる」
「パートナーや子供が寂しがることにだんだん罪悪感が積み重なっていく」
という見方を示している。
共に過ごす時間の大切さに
この研究とシャー氏の投稿が、米国の雑誌「Inc.」のオンライン版で紹介され(2016年11月29日)、さらに日本のメディアも取り上げたことで改めて話題に。ツイッターでは、
「たったの45分でか!?この人の言ってることが全く理解出来ないのは俺だけか!?こじ付けもええ加減にせーや」
「45分とかいっぱい居るだろ?!」
「都内勤務で45分未満で通勤できる人は少ないんじゃない?」
など、驚きの声が多数上がった。
一方、この話題に触れ、
「徒歩圏内に住む彼女と付き合ってみて改めて2人でいる時間と会う回数の重要性を認識したので首がもげるくらい納得しました。通勤時間は失われた2人の時間とイコール」
「特に子どもが小さいうちは少し無理をしても夫婦とも職住近接が望ましいように感じます」
「わかりすぎてつらい。況(ま)してや単身赴任とかだと...。うぅ...」
など、夫婦や家族、恋人が共に過ごす時間の大切さに改めて気づかされたという書き込みもみられた。(MM)