日本のビジネスパーソンは「休まなすぎ」「働きすぎ」としばしば指摘される。2016年中の成立は見送られたものの、年5日の有給休暇を労働者に取らせる義務を企業に課す労働基準法改正を厚生労働省が調整していたほどだ。
そんな「働き蜂の国」日本、旅行予約サイト「エクスペディア」が毎年実施している「有給休暇国際比較調査」で2016年、3年ぶりに有休消化率最下位に返り咲き(?)した。
休み取らず「休み不足」も感じない
100%有休を消化しているのは、ブラジル、フランス、スペイン(いずれも平均支給日数30日)、オーストリア(支給日数25日)、香港(支給日数14日)の5つの国と地域。日本は支給日数20日と、世界で見ても少なくはないが、消化日数は10日で消化率50%という結果に。韓国の53%(8日消化/15日支給)を下回り、世界最下位となった。
有休を取っていないにもかかわらず、「休み不足を感じている」と回答した人の割合は34%と小さく、これまた世界最下位。、日本に次いで有休消化率が低い韓国は65%で2位だった。有休30日を完全消化しているスペインは、なお「休み不足」と答えた割合が68%で、堂々1位。どれだけ休めば満足するのか。
「有休取得に罪悪感を感じる」人の割合は59%で、韓国の69%に次いで2位。日本人が休まない理由は、上から「人手不足」「職場の同僚が休んでいない」「お金がない」だった。
「自分の有休支給日数を知らない」人は47%で、2位の韓国(21%)を大きく引き離しての1位となった。
「休暇中でも一日中仕事のメールを見てしまう」人は22%で、韓国の23%に次いで2位。長い休暇ではなく、「休暇の取り方は『短い休暇を複数回』」という人は57%で1位だった。
全体的に「日本人は働きすぎで休みに無頓着」という印象を与える調査結果となった(調査は16年9月12~29日にインターネットを通じて実施。結果は16年12月15日公表)。