財布の現金は減り、カードは増える
ところで、最近まで暮らしていた中国南方の南寧市や梧州市のスーパーでは、ポイントカードはどうだったっけ?
僕はカードを利用しなかったのだが、日本のカードとは違った「会員カード」があったなあ。よく買ってくれるお得意様向けのもので、すべての商品ではないが、「会員価格」と書かれたものは、普通よりかなり値引きされていた。これのほうが合理的であるような気もする。日本のスーパーも参考にしてほしい。そうそう、ハクサイが1個1元(約17円)だったので、「安いなあ」と喜んでレジに差し出したら、「1元は会員価格です。あなたは4元です」と言われ、恥をかいたこともあった。
それにしても、スーパーのポイントカードに限らず、いつからかこの種のカードが随分と増えてきた。話は少し飛ぶが、20年前、30年前の僕の現役時代、財布にはいつも10万円や20万円の現金を入れていた。何かの折に恥をかきたくない。借金してでも、財布は万札で膨んでいた。
時代は移り、年金暮らしの最近は、財布には1万円かせいぜい2万円しか入っていない。代わりに、財布はカードで膨らんでいる。(岩城元)