海外志向が弱まる日本の若手
これに対し、日本の新入社員の海外志向を見てみると「海外勤務をしたくない」と回答した率が64%もありました(図2)。
しかも、2001年には29%に過ぎなかったものが15年で35%も上昇しており過去最高。日本の新入社員は年々海外で働くことを拒否するようになってきているわけです。
さらに、海外で働く志向がある人の中でも「国によっては働きたい」という人が27%で、どんな国でも働きたいという人は9%しかいません。
「国によっては」というのは、おそらく欧米などの先進国を指しているのでしょうが、正直欧米ではあまり日本人は求められていません。日本人よりも英語が堪能で高い教育を受けている人材がたくさんいる欧米に、日本人をわざわざ送り込む意味が少ないからです。
これから市場の拡大が見込め、高い教育を受けた人が少ない新興国こそチャンスであり、企業もそこで新たにビジネスを展開したいのですが、そこに参加してくれる人材がたったの9%しかいないのです。
この結果を見て「みんなが海外に行きたくないと言っているから、自分も行きたくない」と考えてしまう人は、おそらく希少人材になることはできません。みんなはやらないけど、企業には求められているという結果を見て「チャンス」だと考えるべきなのです。
実際の企業人事の声を聞いてみると非常によくわかります。グローバル企業では、若手社員を中心に海外研修のニーズが増えていますし、我々の海外インターンシップを経験した人材の就活は非常にうまくいっています。
希少人材になる方法は、海外人材になることが唯一の解ではありません。方法はたくさんあります。キャリアアップや就職活動の成功を目標としている人は、この1年間、海外で活躍できる希少人材の例をもとに、
「多くの人ができない、希少な能力を持っている」
「その能力が多くの人に求められている」
そういう人材になるためにはどうすればいいか、ぜひ考えてみてください!(森山たつを)