コンビニを支える縁の下会社 【知っておいてもいい企業4】

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コーヒーマシンを製造する名門企業も

   セブン‐イレブンがセルフ式コーヒーマシン「セブンカフェ」を設置し、販売を開始したのは2013年。1杯100円という手軽さが受け、大ヒット。現在では年間7億杯を売り上げる販売実績といわれています。

   このコーヒーマシンを製造しているのが、富士電機です。重電(大型電機機器)分野では準大手。日立製作所、三菱電機、東芝などの大手と比べても、技術力に遜色はありません。1923年創業の名門で東証1部上場企業なのですが、就活における学生からの人気は大手3社とは比べものにならない、皆無に等しいといっていい状態です。

   同社はコーヒーメーカーマシンだけでなく、JR東日本管内の次世代自動販売機(商品画像が切り替わるので目立つ自販機です)を開発するなど、自販機では国内シェア1位。地熱発電機器では世界シェア1位でもあります。

   就活シーズンが到来すると、高速バスや飛行機で移動する就活生も増えるでしょう。その支払いを、コンビニで済ます方も多いはず。コンビニの収納代行サービスを展開しているのがウェルネット。プリペイド型電子マネーや電子チケットも展開しています。

   同社は、単独での従業員数が83人(2016年6月30日現在)。小規模ながらも堂々たる東証1部上場企業です。

   「風が吹けば、桶屋が儲かる」と昔からいいます。何かの変化が、一見すると関係ないような分野にまで影響を及ぼすたとえとして使われます。さて、コンビニでいえば2016年12月、無人精算システムの開発がちょっとだけ話題になりました。

   ローソンとパナソニックが共同開発した「レジロボ」がパナソニック守口工場の近くにある「ローソンパナソニック前店」に試験的に導入されました。これを利用すると、かごをレジに置くだけで精算ができ、袋詰めまでしてくれます。ローソンでは2018年以降の展開を目指す、とのこと。

   こうした無人精算システムは、他チェーンでも導入が進むでしょう。初期投資こそかかりますが、人件費を圧縮することができます。無人レジの導入が進めば、パナソニックが業績を伸ばすことが予想されます。

   このニュースで、それ以外のポイントはどこかといえば、電子タグでしょう。ローソンとパナソニックのシステムでは、商品のバーコードをかごのセンサーで読み取る必要がありますが、商品に電子タグを付ければその手間が省けます。

   この電子タグの大手がサトーホールディングス。バーコードなど自動認識システムでは世界でもトップクラスの企業です。はたして「桶屋が儲かる」の例にあずかることができるでしょうか。

   コンビニは学生にとって身近な存在です。チェーンや有名な食品メーカーなどに目が行くのも当然でしょう。ですが、今回紹介した企業のように、目立たないところでコンビニを支えている企業があるのもまた事実なのです。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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