その2「いい値段のお通し」 【こんなものいらない!?】

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行動の積み重ねで進歩も

   さて、僕だけど、有料のお通しはきっぱり断っている。店側がお通しをどうしても引っ込めないなら、さっと席を立って店を出ることにしている。でも、そのように、けんか寸前になるのも楽しくはない。そもそも、そんな店には入らなければいいのだ。

   そこで、初めての店に入る時には、まず店頭で「お通しは有料かどうか」と尋ねる。有料なら、入らない。少し恥ずかしいけれど、こうしたことを積み重ねていけば、やがては不合理なお通しもなくなってくるのではないか。一人ひとりが声を上げなければならない。最近はメニューに「お通しがご不要の方はお申し付け下さい」と記す店も出てきた。進歩である。

   お通しは有料かどうかを聞いて恥をかくこともある。

   そば屋に入って、ざるそばと酒を注文したら、お通しが付いてきた。予想外だった。おかみさんに「これ、有料?」と尋ねた。「いえ、おカネはいりません」。気品のあるおかみさんだっただけに、よけいに恥ずかしかった。

   でも、たまには恥をかいても、僕はそれが撲滅される日を夢見て、決してあきらめないつもりである。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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