「もう無理」の悲鳴が聞こえる 「ワンオペ育児」の訴え切々と

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   ファストフード店などで従業員が一人ですべての業務をさばく「ワンオペ(ワンオペレーション)」になぞらえ、育児や家事を母親が一人で担い限界間近にある危機的状況を「ワンオペ育児」と呼ぶのだという。2016年12月3日付朝日新聞の記事「『ワンオペ育児』私のことだ 夫不在、助けなく破綻寸前」で取り上げられた。

  • 幸せであるはずの子育てがブラック化すると
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状況はブラック企業並み

   記事では、夫や実家の協力が得られず、一人で育児や家事を負担し、復職した自分の仕事もこなし、「このままではおかしくなる」「このままでは無理」と悲痛な叫びをあげる女性の姿が描出されている。ワンオペ育児の背景には、ひとり親や単身赴任の家庭が増えていること、長時間労働で夫が不在がちであること、があるという。

   さらに、子育て世帯の生活調査をしている藤田結子・明治大教授(社会学)の「1人で家事と育児、人によっては仕事も担う状況は、休みなく働かされるブラック企業並み。『ワンオペ育児』にはそのニュアンスが含まれ、共感につながっているのでは」という見方を紹介。家事関連に使われる男性の時間はわずか1日平均42分という総務省の統計データを示しつつ、今なお育児・家事の負担が女性に偏っている現状を指摘している。

   はたして本当に「共感」を呼んでいるのか、とツイッターを見てみると、確かに数多くの声を拾うことができた。

「人に無幸感を与えてしまう」

「核家族のワンオペ乳幼児子育て経験者として一番辛かったのは、『人としてこれはどうなんだ』ってとこに触れること。食事を取る時間がない、生理的欲求に従ってトイレに行けない、寝られない。一番ひどい時は隣で夫が社食のメニューの話をするだけでも辛かった。ワンオペ育児は人に無幸感を与えてしまう」
 「7歳・3歳・0歳の3人子育て中。ワンオペ育児の乗切り方を調べると『ベビーシッターを雇う』『時短家電を買う』『実家やママ友に頼る』『夫に協力してもらう』という言葉が出てくるが、そんな恵まれた人ばかりなのだろうか?私にはどれも無理な事...」
 「どんなにくだらないことでもいい、なんなら下ネタもOKでいい。大人と会話したい。言葉のキャッチボールをしたい。うぶぶぶとかあばばば以外の言葉?を聞きたいんだあああ!!ってなるのがワンオペ育児」
 「風邪をひいて寝込むって幸せだったなあと思えるワンオペ育児」
 「お風呂にね、1人で入ってのんびり長風呂して体の芯まで温められるのって、子供が1人でお風呂に入れる様になったからで、ちょっと前までの10数年間は冬場に温まるなんて贅沢で、願うことすら恐ろしい感覚だった」
 「保育園に行ってる時間以外ワンオペ育児っていうのもなかなか辛い。育休復帰した同僚に愚痴っても、彼女の旦那さんは送り迎え・病気の時休み対応等協力的と聞き余計に辛い」

と、血のにじむようなつぶやきが次から次に聞こえてきた。

   テレビでも、日テレNEWS24がワンオペ育児を取り上げ、夫が妻に絶対にかけてはいけない言葉として、「手伝おうか?」「頑張ってね!」を紹介していた。

   実は、この記事を書いている私KMもワンオペ育児中。母子ともに病気で寝込んでいて、夫から「俺のメシはいいよ。外で食べてくるから」といわれた時ほど殺意を抱いたことはない。

   世の中の男性が仕事で忙しいのは分かるが、もう少し育児と家事に理解と歩み寄りを持ってくれることを切に願いたい。(KM)

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