皆さま、今年もご愛読くださり、ありがとうございました。2017年もよろしくお願いいたします。
2017年の干支は「酉(とり)」ですが、私は、ビジネスパーソンにとっては「狼(おおかみ)年」になるのではないかと思っています。
世界の変化が職場のストレスに直結
理由は、激動する世界です。アメリカはトランプ氏が大統領に就任。中国、ロシア、ヨーロッパ、シリア、南シナ海、東シナ海などの国や地域もそれぞれ課題を抱え、予測不能な「ハイパーチェンジ」が始まりそうです。
あなたは「うちの職場だけは大丈夫」と思っていませんか?
グローバル時代は、世界の変化があなたの職場のストレスに直結します。多くの経営者たちが「変化し続けることのみが生き残ることだ」と熱く語っています。変化=ストレスですから、当コラム「職場のストレス大解剖」も、日々変化する「ハイパーチェンジ」を見据えて執筆していく所存です。
さて、「狼年」とはいかなる意味でしょうか。
安定成長の時代は、減点主義の組織にあって「おとなしい、従順な、ミスをしないビジネスパーソン」であればそこそこ生きていけるよい時代でした。しかし、弱肉強食が貫徹したグローバルな経済競争の時代には、狼のように自ら餌を獲得することが求められます。組織も羊の群れでは生き残れず、「成果」を出し続けることが否応なしに求められます。
狼の生態の特徴は、
・自らの力で餌を獲得する
・家族を大切にする
・群れで行動し、狩りとなるとリーダーの下に統率のとれた行動をする
などです。
ハイパーチェンジ時代に求められる「グローバル人材」を考えるとき、狼的要素が必要だといわれています。
「狼型」か「賢い羊型」か
「狼的ビジネスパーソン」にはどんな特徴があるのでしょうか。次のようにまとめてみました。
・集団の中で群れるばかりでなく、自らの力で課題を捜し、チャレンジして成果を出せる
・獲物を獲得するための鋭い「牙」のような武器、すなわち成果を出すための「専門性」を持っている
・自己の専門性を他のメンバーの専門性と調和させ、シナジー効果を出して組織の目的を達成できる
・ついていきたくなる魅力的な人柄である
・組織の統率を乱さず、部下をまとめていくリーダーシップがある。
とはいえ、みんながみんな狼的ビジネスパーソンになれるわけでもないし、「いまさら豹変できない」という人もいることでしょう。生き残り戦略として「羊」も悪いとは言い切れません。少なくとも、ハイパーチェンジ時代を生き延びるためには、物事の本質を見破り、成果を出せる「賢い羊」でなければならないでしょう。
せっかくのお正月休み。お雑煮を食べながら「狼型」か「賢い羊型」か、自問自答してみるのもいいかもしれませんね。よいお年になりますように。(佐藤隆)