電機大手で経営再建中の東芝は、2016年12月28日の東京株式市場で、株式が前日終値から80円(20.43%)下落のストップ安を付け、311円60銭で取引を終えた。12月15日に付けた年初来高値の475円からの下げ幅は163円40銭(34.4%)となり、3分の1を超えた。また、時価総額は1兆3204億円にまで減り、シャープ(1兆3504億円)に抜かれた。
損失額は数千億円規模
東芝は、米国にある原子力事業の子会社「ウェスチングハウス」が2015年に買収した、原子力関連の建設などを請け負う「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」の資産内容を詳しく調べた結果、2017年3月期に巨額の損失を計上する必要があることがわかったと前日12月27日に発表。損失額は数十億ドル規模(日本円で数千億円規模)に上る可能性があるという。
これを受けて、28日の取引は朝から売り一色。午前9時半近くに、値幅制限いっぱいまで値下がり(ストップ安)した。経営への先行き懸念から個人投資家らの失望売りが膨らんだ。
主力の原子力事業の巨額損失で、東芝は資本の増強を含めた抜本的な経営の立て直しを迫られる。東芝の平田政善最高財務責任者(CFO)は27日の記者会見で、「資金繰りの見込みを確定し、金融機関の支援を仰ぐ」考えを表明していた。