認知症予防に手帳をやめてみようか
僕も現役の頃から定年退職して十数年になる今まで、ずっと手帳を手放さないできたが、最近はたいした予定もない毎日である。でも、予定がないのもなんとなく寂しいから、学生時代の友人とマージャンをする、サッカー日本代表の試合をテレビで見るなぞという、どうでもいいことまで予定として書き込んでいる。こんなことをやめて、認知症予防のためにも手帳なしの生活を始めてみようか、と思わないでもない。
だけど、素浪人の僕ならいいけど、現役の勤め人にとっては、手帳に予定を書いておかないと、どこか不安ではなかろうか。予定を忘れてしまったら困る。そんな心配をさっきの中国人女性にぶつけた。返事は、
「日本人の同僚はよく約束を忘れるんですよ。文句を言ったら、『ごめんごめん、手帳にはちゃんと予定を書いておいたんだけど......』ですって」
やはり、日付入りの手帳なんてないほうがいい、記憶しておくことが一番のようである。(岩城元)