2016年下期に大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。 このドラマの中で、次のような台詞が出てきました。
「私たちの周りにはたくさんの呪いがあるの。自分で自分に呪いをかけないで」
あなたの未来も価値がない?
「呪い」という言葉。これが、東南アジアに比べて圧倒的に金持ちにもかかわらず幸福度が低い、日本の現状を言い表した言葉だと感じました。
この台詞は、アラフィフのキャリアウーマン「百合ちゃん」が、歳をとった人をバカにする、年齢が自分の半分の女性をたしなめる言葉です。歳をとっていることを見下す彼女を、
「あなたが今、価値がないと切り捨てたものはあなたの未来でもあるのよ。あなたがなりたくないものになっていくの、辛くない?」
と諭します。
この「呪い」とは、いってみれば「極度の思い込み」です。ゆりちゃんをバカにする女性は「女性は歳をとったら価値がない」と思い込んでいます。そして、その思い込みは自分自身も束縛するものであり、時が経つにつれ、歳をとっていく自分を苦しめ続ける「呪い」になっていくのです。
日本にはこういう「呪い」がたくさんあります。
「歳をとったら無価値」
「お金がなくなったら生活できない」
「今の仕事を辞めたら人生台無し」
こうした呪いから、老いに無理に逆らったり、無意味に貯金を続けたり、身体を壊してまで今の仕事にしがみついたりすることになり、結果的にどんどん不幸になっていきます。