2017年1月に米国の次期大統領に就任するドナルド・トランプ氏。その保護主義的な政策に注目が集まっている。
日本の輸出産業にとって、米国経済の浮沈や米国市場での評価は個々の企業の業績にすぐさまハネ返ってくる。グローバルブランドで、世界首位のタイヤメーカーのブリヂストンもそういう企業の一つ。じつは、そんなブリヂストン株を買い足したいと機会をうかがっているところだ。
自動車にタイヤは必需品
ブリヂストン株は、2007年4月27日に2450円で100株を購入したのが最初。8月にサブプライム問題をきっかけに世界同時株安が起きる直前で、翌08年9月のリーマン・ショック、09年6月の米自動車大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破たんと続いていく時期に当たる。さらに2011年3月には、東日本大震災と東京電力福島原発の事故が起こり、11年10月にはタイで大規模な洪水被害があった。
こうしたことから、2007年8月~09年3月にかけてブリヂストン株は下落。08年8月~12年末にかけて1500円~2000円のボックス圏で推移した。このタイミングで最も安く購入できたのは2009年6月12日、1396円で100株を購入。合計500株を保有することができた。ちょうど米GMが経営破たんし、世界中の株価が大きく下げた時期に当たる。
周知のとおり、2012年12月に「民主→自民」の政権交代が起こり、安倍政権が誕生。アベノミクス効果で日経平均株価は大きく上昇する。2012年12月以降の上昇過程で400株を売却し、34万5000円の売却益を得た。
その後2015年5月13日に4657円で100株購入し、現在200株保有。ブリヂストン株を最も多く保有していた時期は、2009年6月の500株だった。
日本経済を支える輸出産業の一つが自動車。その自動車にタイヤは必需品だ。ブリヂストンは世界一のタイヤメーカーであり、優れた技術開発力をもっている。業績もよく、株価は日経平均株価と連動しがちなうえ、景気回復の過程で最初に上昇する傾向が強く、至って「素性のよい銘柄」といえないか。
トランプ次期大統領が掲げるのは、自国産業への過激な「保護主義」だ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの脱退を「2017年1月の就任当日に宣言する」と表明。米国への輸出が多い日本やメキシコ、中国の商品は関税を引き上げるともいわれる。自由貿易の機運が後退。多くのエコノミストが、世界経済の停滞や金融市場の混乱を招き、日本経済に悪影響を及ぼすとみている。
その一方で、2016年11月8日の米大統領選後のここ1か月間、日米の株式市場は、トランプ氏の政策手腕への期待から円安株高が進む、予想外の事態が起きている。