エスニック料理には欠かせない香草「パクチー」。2016年12月5日に「ぐるなび総研」がパクチー料理を「今年の一皿」に選定するなど、今やブームの様相を呈している。
好きな人にはたまらないが
コーヒーと輸入食品を扱う「カルディコーヒーファーム」は、パクチーペースト、パクチーラーメン、パクチー餃子、パクチースープ、パクチーポテトチップなど多様なパクチー商品をオンラインショップでも販売しているが、中には「在庫なし」「数量限定」などと表示されるアイテムもある(12月22日現在)。
「ペヤング」ブランドでおなじみの「まるか食品」は12月19日、「ぺヤングパクチーMAXやきそば」を発売。「一口食べただけでも『パクチー』の味が口の中に広がる、パクチー好きにはたまらない商品」なのだという(希望小売価格185円〈税別〉)。
ブームと言いつつ、かなり独特の風味で、好き嫌いが大きく分かれる食材でもあるため、ネット上もにぎやかだ。
たとえば「#パクチー好き」には、
「パクチーが添えられてるだけでおいしそうに見えるよね」
「パクチー三昧のお夕飯!!元気でた?!!パクチーチヂミにパクチー餃子に、パクチーの鶏肉巻きに、パクチーのかき揚げに、パクチーゴレン(ナシゴレン的な)。。。」
「今夜の夕食カツオのたたきに、どっさりパクチー」
「無性に食べたくなるパクチー 大好物なんっ はぁパクチーに埋もれたいっ」
などなど、パクチスト(という造語もあるらしい)たちの歓声が響く。
一方、「#パクチー嫌い」にも、
「こんなものが食えるか!」
「フォーうまい。パクチー入ってなくて最高」
「生パクチースープ。やめてください。匂いだけで失神しそうです」
「今日は、タイ料理のお店に行きやした~人生初パクチー。うーんっ!これ、美味しくないっ」
と嫌パクチー派の怒気を含んだコメントが並んでいる。
ビタミンも豊富で
そんなパクチー、食べて楽しいだけでなく、漢方医学ではストレス解消にも効果があるらしい。
北海道・北見の漢方薬品店「ミドリ薬品」の櫻井大典店長によるブログ(2016年6月25日)では、その効能が解説されている。
パクチーは「温性で辛味の性質を持っている」として、
「ストレスなどで滞った気の巡りを良くしてくれるので、気分が鬱鬱しがちなときや、お腹の張ってガスやげっぷが多いときなどにはおすすめです」
という。またビタミンが豊富で、疲労回復や美白効果、抗酸化作用、がんや動脈硬化、糖尿病予防にもつながるとしている。
ただし、高血圧や熱がこもっている時、アトピー性皮ふ炎、乾癬(かんせん)などで皮ふが赤かったりガサガサしている時、胃腸が弱っている時は控えたほうがよいのだそうだ。目や口が乾いたり、微熱や寝汗が出たり、便が硬かったりと潤い不足の時も同様。
ほかの漢方薬品店からも「パクチーのススメ」が。東京の「イスクラ薬局」のツイッターでは、「肩こりの原因には血行不良の他に、ストレスが肩こりを誘発することもあります。『気滞』により肩がパンパンに張っている状態。イライラや不安、血圧が不安定などの症状を伴いがち」として、「気」の流れをよくする食材の一つにパクチーを挙げている(16年11月15日)。
新潟市の「西山薬局」のツイッターは、パクチーをたっぷりのせた料理の写真とともに
「パクチー(香菜)は発散作用があり気分が清々しくなるのです」
と説明している(16年12月11日)。
赤坂の「アオザイ」、六本木の「ソイ六本木」など、東京都内のオフィス街にもパクチーをきかせた料理が楽しめる飲食店は多い。仕事でストレスがたまった時、デスクワークで肩が凝った時などに「パクチーランチ」「パクチーディナー」、試してみては。(MM)