働く女性は欲張りだから
欧州でも、女性が社会に出て働くようになった当初は、出生率が落ち込みました。そこから、たとえばフランスのシラク3原則のような両立支援を旨とした政策が導入され、出生率が回復。最近では、両立支援策により「働く女性のほうがたくさん赤ちゃんを産む」という傾向にあるそうです。どうしてなのか、とフランスの知人に尋ねたら、
「当たり前でしょう? 働く女性は欲張りでアグレッシブだから、子どもだってたくさん欲しがるから、がんがん産むのよ」
と。
日本で現在進められている働き方改革には、団塊の世代が現役を退いて足りなくなった分の労働力を専業主婦の投入でなんとか補おうという、視野の狭さを感じます。男女がともに、やりがいをもって働き、子どもを育て、生活をより充実させるためには、これまでの労働慣行の根本的な見直しが必要だと考えます。(出口治明)