混んでいる通勤電車、優先席が1席空いている、ラッキー! と座ったら、次の駅でご老人が乗ってきた。だけど疲れているし眠いし、気付かずに寝たフリ......。こんな場面を目にしたことがある人、自分もやったことがあるという人、結構多いのでは。
日本人が疲れていることの表れなのか、「優先席では席を譲るべき」と考える人が、近年減少しているらしい。
「譲って断られた」も増加
乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所が、「ゆずりあい精神の意識調査」の結果を発表した(2016年11月28日)。
「あなたは優先席では席を譲るべきだと思いますか」という問いに対し、「はい」と答えたのは75.9%だった。4人に3人と多い割合に見えるが、前回(13年実施)調査では9割以上が「はい」と答えており、比較すると17.1%減少していた。「どちらともいえない」は15.5%で9.5%の増加、「いいえ」は8.6%で7.6%増加していた。
また、「あなたは優先席以外でも席を譲るべきだと思いますか」に対し「はい」と答えたのは57.1%で、13年と比べ18.9%減少。「どちらともいえない」は28.9%で8.9%増加、「いいえ」は14.0%で10%の増加となった。
「座席を譲ろうとした相手に断られた経験がある」と答えた人も13年から約9%増加していて、同社は席を譲る意識が低下していることと関連があると推測している(調査は16年9月2日から11日まで、10~70代の男女3413人を対象にインターネットを通じて実施)。
遊びに行くお年寄りには......
この調査結果に対し、ツイッターでは
「別に休みの日とかだったら譲るけど、朝の通勤時は譲らん」
「通勤ラッシュの中遊びに行く元気一杯の婆さん達には譲らない!状況に応じてですね」
「社畜はもっとキツいんですよ・・・皆様の年金確保に必死」
といった声が。「断られた経験があるから」というよりは、自分は仕事、譲る相手はそうじゃない、との意識から譲らない、という人も多そうだ。
「混みそうなら体調不良時以外は優先席座らないから譲る機会がない」
「こういう面倒が嫌だから、長時間乗車やガラ空きじゃない限りは、優先席はもちろん座席自体に座らないようにしている」
と、譲る、譲らないのやり取りが嫌でそもそも座らない、との声も。
一方、優先席に座るべき立場を経験した人からは、
「以前骨折して松葉杖ついてた時すら基本的には譲ってもらえなかったのでそう言うもんだと思っておいた方が良い」
「10年前、妊娠してるとき、往復で約300回の片道40分の電車通勤の中で席を譲られたのは僅か4回だったことを思い出しました」
とのエピソードが寄せられた。「電車の座席は譲らなくてもいい/どうせ譲ってもらえないもの」という考えが広がりつつある、ちょっと寂しい世の中になっているのかも。(MM)