リマインドは責任回避のため? 会議の時間、無駄にせぬ行動を(高城幸司)

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ドヤ顔で正論を振りかざされても......

   リマインドの目的は、あくまで「抜け・漏れなく参加者全員がきちんと会議に来ること」であり、「やるべきことをやってもらうため」の1つの手段です。自らの免責のために、リマインドするわけではありません。

   特に最近の若い人に多く見られるのが、「言った・やった」を主張する「免責君」です。そういう人は、生命保険の契約書のように細かい文字で書いてあることや、誰も聴き取れないほど小さな声で言ったことを持ち出して、「確かに言ってますよね?」とドヤ顔で正論を振りかざしてきます。

   なぜそんなことをするかというと、自分が責任に問われることを避けたいからです。「次回の会議の日程に関しては、来週の夕方だと僕はその場で確認して言ったつもりですが」「しかも、その日にまとめた議事録にも日程をちゃんと入れましたよね?」。確かにそうかもしれませんが、会議でいろんな話がされる中で、ポツリと言われても覚えていないかもしれません。

   議事録もボリュームがありすぎて、情報を見逃してしまうこともあります。それを「伝えましたよね?」「読んだらわかりますよね?」と一方的に言われても、建設的とは言えませんし、言われる方も結構つらいものです。大事なことは、「どちらが正しいか」「言ったか・言わなかったか」を明確にすることではありません。

   「そんな話は聞いてないから!」と、会議に来ない人がいた時に、「いや、確かに私は言いましたよね?」と自分の正当性を主張するとどうなるか。

   「ああ、ごめんなさい。確かにあなたは言ったかもしれませんが...」と、責められたと感じて恐縮する人もいれば、「僕は覚えていません。僕が忘れたと言うのなら、謝りますけど」「もう1回言ってくれたら、こっちも忘れなかったんですけど」などと逆ギレする人も出てきます。いずれにせよ、お互いに嫌な気分のまま会話は終了してしまいます。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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