代表者の高齢化に、「職人」不足が追い討ち
きれいに店をたたむのはむずかしい。企業情報の帝国データバンクによると、2015年に「休廃業・解散」を選択した企業件数は、2万3914件にのぼる。企業の倒産件数(法的整理による倒産、負債1000万円以上)が8517件だったというから、じつにその約3倍に達する。
中小・零細企業が多く、また代表者の年齢でみると60歳代が最多で、70歳代が4割を占める。代表者の高齢化や後継者難が原因のケースが目立つ。
帝国データバンクは、「廃業、解散は債権者が取りっぱぐれることなく、事業をたたむことができますから、『きれい』に身を引けるといえます。ただ、事業をたたむ原因は、後継者不足もありますが、人手不足も大きい。単に代表者の後を継ぐというだけでなく、たとえば酒蔵の杜氏がいなくなったり、建築現場で技術をもった職人が不足したりということがあります」と話す。
黄金食品・ずんだ餅本舗がどのような理由で店を閉めるのかは不明だが、後を継ぐ「職人」不足は深刻なようだ。