「1日自動車保険」をご存じだろうか。2012年1月、東京海上日動火災保険が「ちょいのり保険」として販売開始、その後、他社も参入した自動車保険だ。
通常の自動車保険は1年など長期の補償で契約するが、1日自動車保険は1日単位の契約で、最長7日間。対人・対物賠償は無制限、その他、搭乗者傷害特約、自損事故傷害特約、借用自動車の復旧費用補償特約、ロードアシスト、事故現場アシストがある。
借用自動車の補償については、車両補償があるプランとないプランに分かれ、補償あり(支払限度額300万円、免責金額15万円)の基本保険料は1500円、補償なしは500円。
携帯で加入可、保険料節約も
たとえば、実家に帰省し親の車を借りるとき、運転者限定などの制限があると補償されない。友人から車を借りるときも、家族限定など補償対象になっていないことがあり、対象であっても、事故を起こしたら友人の等級は下がり、保険料は上がる。
そんな場合、1日自動車保険は車両補償なしプランであれば、スマホなどから当日加入が可能。補償ありプランでも、7日前までに事前登録を済ませておけばいつでも加入できる。
また、誰が運転するのか決まっていないために、「年齢条件なし」「運転者限定なし」で通常の自動車保険に加入していた場合、運転者に応じて1日自動車保険を利用すれば、年齢条件・運転者限定ともにつけられ、保険料を安くできる。
ドライバー保険と使い分け
借りた車を比較的頻繁に運転するなら、従来からあるドライバー保険に加入する手もある。 通常の自動車保険は車に対してかけるが、ドライバー保険も1日自動車保険も人に対してかける。両者の一番大きな違いは保険期間だ。1日自動車保険は1日だが、ドライバー保険は1年だ。
ある損害保険会社のドライバー保険は、保険期間1年、対人・対物賠償無制限、人身傷害3000万円、6等級・21歳以上で保険料は年3万円台。1日自動車保険は、保険料1日500円を月換算すると1万5000円、年18万円と割高だが、現実には休暇や行楽シーズンに利用する程度だろう。
借りた車をたびたび運転する場合はドライバー保険、年に何回かの場合は1日自動車保険といったように使い分けるのが得策だ。(阿吽堂)