金の切れ目が縁の切れ目なのか 大散財がヒモ氏の小遣いに響き

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「1日5000円もらえるのが当然」と

   私が小遣いをどんどんアップさせるので、ヒモさんも「1日5000円はもらえるのが当たり前」と思うようになっていたらしい。「火の車」となった私が、「今日は3000円でいい?ごめんね」と言うと、少しさみしそうな顔をした。「明日の交通費がないよ......」

   甘やかしたのは私なのに、モヤモヤとした怒りがわいてくる。「わたしゃ今、そんなにお金がないんじゃ! 少ない原稿料で何とかやってる上に、この前は某テレビ番組に出演する話もなくなったし、美容整形で30万も使っちゃったし、もう火の車だよ!」と、金のない自分のふがいなさを、ヒモに責任転嫁するという最悪の事態になってしまった。

   ヒモ氏はハッとした顔になり、「北条さんは火の車なんだ......つい甘えてたよ、ごめんなさい」。それ以来、彼は少しずつではあるが日雇いバイトをするようになり、マクドナルドで毎回、2つねだっていたチーズバーガーを1つに減らし、「小遣いも1日2000円で十分だよ、ありがとう」と言ってくれるようになった。心なしか、感謝の言葉も増えた気がする。

   ヒモ氏よ、情けない「火の車女」ですまん。ただ、フトコロ事情を正直にぶちまけたおかげで、少ない小遣いで満足してくれるようになったのは「嬉しい誤算」だった。教訓「ヒモを甘やかしすぎてはいけない」。もちろん、美容整形で散財したことは(少し)反省し、自分の財布の紐もしっかり締めなくてはいけないと思う、今日このごろである。(北条かや)

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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