ジョブズを手本にスピーチ上達 「なりきり」テクは仕事に有効

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「ちょっと今日のお話の内容と関係のない質問をしてもよろしいでしょうか」

   私の営業セミナーを受講してくれた40代半ばの中小企業経営者Yさんがセミナー終了後、通常の受講者とは少し異なる質問を投げかけてきました。

人前で話をするのが負担に

あの人になりきって
あの人になりきって
「私は1年前に亡くなった父の後を継いだばかりの新米社長なのですが、12月に開かれる地元商工会の総会で『私の二代目会社経営』というテーマで1時間話をしてくれと頼まれてしまったのです。社員でさえ私の話を聞いてくれているのか、まだ自信が持てないのに......。困りはてて、今日はセミナー受講かたがたプロの話ぶりを学びたいと思って参りました。先生のような説得力のある話し方ができるよう、短期間に上達するコツを教えていただけませんか」

   聞けばYさんは、社長就任以来、経営者として話す機会が多くなっているものの、どうもうまく自分の言いたいことが相手に伝わっている感じがしないそうです。そんな気分が重しになって、最近では人と話すことそのものに自信がもてず、社員に向かって話すことさえ負担に感じつつあるのだとか。

   依頼されたスピーチは、今までにない大勢の人たちの前で話をする機会なので、できればうまく乗り越えて自信につなげたい。でも、逆にここで失敗したらもう社内ですら話ができなくなってしまうのではないか、大変心配なのだと。

   それで人前で話すことを生業としている私に、初対面ながら思い切って悩みを打ち明けたということなのでした。たまたまYさんの会社が私の会社から遠くなかったので、講演のリハーサルにお付き合いしてさしあげることにしました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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