ストレスチェックが少し心配 やりがいある仕事、外されぬか

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仕事に対する悪影響を懸念せず検査を受けられる

   検査の結果、労働者が高ストレスと判断された場合、仕事に対して何らかの影響が生じるのでしょうか。

   検査の実施結果が企業に知れてしまうことで、結果次第では重要なプロジェクトから外されるなどの不利益が生じるのではないかと懸念されるかもしれません。たしかに、企業の判断として、メンタルヘルスに不調のある労働者をプロジェクトから外すといった事実上の不利益が生じることは可能性としてあり得ることでしょう。しかし、ストレスチェックは企業ではなく、産業医などによる実施が義務付けられています。また、実施結果が企業に直接提供されることはなく(企業への情報提供には本人の同意が必要)、産業医などが厳重に管理することになっていますので、労働者は仕事に対する悪影響を懸念することなく、検査を受けることが可能となっています。

   また、ストレスチェック自体を受けない、ストレスチェックの結果の提供に同意しない、医師による面接指導を受けないことなどについて、企業が労働者に対して何らかの不利益な取り扱い(解雇、退職勧奨、配置転換等)を行うことは禁止されています。

   今回のご質問では、残業や休日出勤が続いているが、やりがいを感じているとのことですので、ストレスチェックの結果、低ストレスと判断される可能性もあるでしょう。また、仮に高ストレスの結果が出たとしても、情報提供に同意しない限りは、その結果が会社に知れることもありませんので、会社が知らない以上は、プロジェクトを外されたり休職させられたりといった不利益が生じることもないでしょう。ストレスチェックは、精神的に弱っている労働者をあぶり出し、排除するためのものではないのです。

   メンタルヘルスの不調状態を知ることは、労働者にとっても意味のあることですので、「心の健康診断」を受けるつもりで、ストレスチェックを受けられてはいかがでしょうか。

   ポイント2点

●検査結果において、高ストレスと判断された労働者については、医師による面接指導が行われるが、労働者自身の申し出に基づき実施されるものであり、強制されるものではない
●ストレスチェック自体を受けない、ストレスチェックの結果の提供に同意しない、医師による面接指導を受けないこと等について、企業が労働者に対して何らかの不利益な取り扱いを行うことは禁止されている

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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弁護士法人アディーレ法律事務所 篠田恵里香


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