「自分は最低」とは思いすぎ 「心貧しき」は幸いであるから(江上剛)

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自信を持てとは言いたくない

   「心の貧しい人は幸いである」とはキリストの言葉だけど、あなたに噛みしめてもらいたいなぁ。

   あなたは同僚と自分を比較して、どんどん心を貧しくしている。自分はなんてダメなんだろうってね。私は、そんなことはない。自信を持ちなさいとは言いたくない。そんなことを言っても始まらないし、誰でも多かれ少なかれ他人との比較で自分の能力を測っているものだから。

   私だって売れっ子作家を見れば羨ましいし、なぜ私の小説が売れないんだろうって腹立たしく思う、自分は才能がない、最低だと落ち込むことがある。仕方がないね。人間だもの。いい時もあれば、悪い時もある。でも自分の役割を果たし、生きて行かねばならない。

   そんな時、人を恨んだり、妬んだりする「心の貧しい」私でも神様は「幸いである」と慰めてくれる。嬉しいじゃないか。「心が貧しい」ってことは人間であることの証明なんだろうね。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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