この頃、同世代の女子アナウンサーの方々と仲良くなる機会が多い。これは嬉しいことである。私は聡明な美人が大好きだからだ。自分にはない華やかさや、特殊なキャリアを持つ彼女たちと付き合ううちに、ある共通点に気がついた。皆さんは、とっても「贈り物」が上手なのだ。
田中みな実アナが「先日のお礼に」と
「これ、田中みな実さんからです。先日のお礼にと」「え、私にですか!?」先日、朝の情報番組「モーニングCROSS」(TOKYO MX)の楽屋で、私は目を丸くした。その前の回で、私はかねてから大ファンだったフリーアナウンサーの田中みな実さんと同席し、興奮のあまり「好きです!」と口走るなど、醜態を晒してしまったのだ。そんな私に、田中さんからプレゼントがあるという。
ディレクターの方から渡されたのは、真っ白なクリスチャン・ディオールの紙袋。一体これは、どういうことか。何年も前からファンで、彼女を絶賛するコラムまで書いていたとはいえ、私と田中さんは一度しか会っていない。それなのに、田中さんは私に、素敵なディオールの化粧品と、お手紙までくださったのである。
美しい手書きの文字と、私のためにみつくろってくださった贈り物は、私の宝物になった。もし私が彼女と同じ立場だったら、自分の一ファンにすぎない、しがないライターに、これほど心のこもった贈り物ができるだろうか。
ちょっとした気遣いができるか
田中さんだけではない。その後、私はフリーアナウンサーの榎本麗美さんと初めて食事へ行ったのだが、その際、麗美さんは素敵なボディケアグッズをプレゼントしてくれたのだ。元はといえば私から声をかけ、「彼女の」転機をお祝いする会のつもりであった。それなのに、私にプレゼントをいただくとは......。しかも、女性には嬉しいボディケアグッズ。私は麗美さんの気遣いに脱帽し、彼女のことがもっと好きになった。
まだある。先日、私がホステス役を務めたトークショーで、ご招待客の中に偶然「モーニングCROSS」の某コーナーを担当するフリーアナウンサー、槙あやなさんがいらっしゃった。私は彼女と、一度しか話したことがなかったが、なんとあやなさんは、会場で会うなり「これ、お荷物になってしまうかもしれませんが......」と言いつつ、袋入りの焼き菓子を差し入れてくれたのだ。ほぼ初対面なのに、贈り物。私からはもちろん何も用意できず、申し訳ないやら嬉しいやらで胸が熱くなった。
立て続けに女子アナウンサーの方々から贈り物をもらい、私は考え込んでいる。これまで私は、食事の相手に贈り物を持参したことがあっただろうか。節約中だから、ケチだからと理由をつけて、そういう「ちょっとした気遣い」が全くできていなかったのではなかろうか。その気遣いが、どれだけ相手の心を温めるか、お金では買えない信頼感情や好意につながるか、考えたこともなかったのだ。
そういう目に見えないことにお金を使えるのが、本当の「大人」というものだろう。もうすぐ30歳。これからはドケチぶっていないで、ちょっとした贈り物が上手な「大人の女」になりたい。いや、なってやる!(北条かや)