ちょっとした気遣いができるか
田中さんだけではない。その後、私はフリーアナウンサーの榎本麗美さんと初めて食事へ行ったのだが、その際、麗美さんは素敵なボディケアグッズをプレゼントしてくれたのだ。元はといえば私から声をかけ、「彼女の」転機をお祝いする会のつもりであった。それなのに、私にプレゼントをいただくとは......。しかも、女性には嬉しいボディケアグッズ。私は麗美さんの気遣いに脱帽し、彼女のことがもっと好きになった。
まだある。先日、私がホステス役を務めたトークショーで、ご招待客の中に偶然「モーニングCROSS」の某コーナーを担当するフリーアナウンサー、槙あやなさんがいらっしゃった。私は彼女と、一度しか話したことがなかったが、なんとあやなさんは、会場で会うなり「これ、お荷物になってしまうかもしれませんが......」と言いつつ、袋入りの焼き菓子を差し入れてくれたのだ。ほぼ初対面なのに、贈り物。私からはもちろん何も用意できず、申し訳ないやら嬉しいやらで胸が熱くなった。
立て続けに女子アナウンサーの方々から贈り物をもらい、私は考え込んでいる。これまで私は、食事の相手に贈り物を持参したことがあっただろうか。節約中だから、ケチだからと理由をつけて、そういう「ちょっとした気遣い」が全くできていなかったのではなかろうか。その気遣いが、どれだけ相手の心を温めるか、お金では買えない信頼感情や好意につながるか、考えたこともなかったのだ。
そういう目に見えないことにお金を使えるのが、本当の「大人」というものだろう。もうすぐ30歳。これからはドケチぶっていないで、ちょっとした贈り物が上手な「大人の女」になりたい。いや、なってやる!(北条かや)