金のためと割り切るのは悲しい 感謝の言葉は聞こえてこないか(江上剛)

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「仕事が面白くありません。給料は悪くないので、お金のためだと割り切って続けるべきでしょうか」

   難しいね。仕事が面白くないのは辛いね。でも仕事って面白くないものなんじゃないかな。

  • 面白い仕事なんてあるのか
    面白い仕事なんてあるのか
  • 面白い仕事なんてあるのか

縁あってその仕事についた以上は

   あなたが入社早々の人なのか、それとも中堅、あるいは定年前、どの段階にいる人なのか分からないので軽軽に言えないんだけど......。

   私は新入社員の頃、先輩から「10年我慢しろ」と言われたことがある。その頃は、仕事が面白くなくて行くのも嫌だった。だから「3日、3か月、3年」と呪文のように唱えて満員電車に乗っていたものだ。勤務が3日続けば、3か月続く。3か月続けば、3年続く。3年続けば、なんとか頑張れるんじゃないかという意味だ。

   前回、連合艦隊司令長官山本五十六元帥の言葉を紹介したけど、彼にはこんな言葉もある。

「苦しいこともあるだろう。
云い度いこともあるだろう。
不満なこともあるだろう。
腹の立つこともあるだろう。
泣き度いこともあるだろう。
これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である。」

   仕事って修行みたいなものじゃない? 縁あってその仕事についた以上は、「じっとこらえてゆく」のも大切なことだと思う(不法な仕事じゃなければね)。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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