育児には、やりがいや喜びを感じる半面、ストレスや疲れも付き物だ。「子育てでイライラした妻に当たられケンカに」といった話をよく耳にするが、育児疲れは母親だけが感じるものではない。ネット上では、父親から「もう限界」とSOSが寄せられている。
妻を支えるのは夫、子育ては2人
Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、28歳の男性からの相談が投稿されている(2016年10月30日)。
2歳になる娘を持ち、前年には一軒家を買って、仕事では頼りにされるポジションだという投稿者。その一方、家では家事育児に追われ、仕事でも新人教育にてこずりキャパオーバーに。16年の熊本地震で不安も感じ、「精神的に不安定になり、体調を崩すようになりました」。
このまま仕事を続けて心身の病にかかったらどうしよう、とデザイン関係の仕事なので独立も考えるが、収入が不安定になって家族に苦しい生活をさせてしまったら...とも思う。
「独り身の人はどんなに忙しくても休みの時は自分の自由な時間があります。でも、自分にはない、仕事で帰っても、休みの日も家族サービス。子育て世代真っ最中ですから、妻1人に子供を任せるなんてしたくありません。妻を支えるのも夫の役目。子育ては夫婦2人でするもの。常に元気で居てもらうために、できることはする」
と、生真面目な投稿者。家族と一緒に過ごすのも仕事で頼られるのも嬉しいと感じる、でも辛い、というジレンマに陥っている。
「自分が壊れていく気がする。理不尽、矛盾、理想と現実。わからなくなってきた自分はどうしたらいいのでしょうか?」
と、追い詰められているようだ。
「イクメンの憂鬱」という言葉も
回答者からは、
「奥さんと、絶対に今の気持ちや仕事の不安など、これからの事もきちんと話し合うべき。夫婦の協力があってこそ『結婚』で一人で何もかも背負うなら、もはや結婚ではなく『同居』です」
「奥さんにいつも頑張ってもらって申し訳ないんだけど、このままだと、仕事の疲れで、メンタル、身体とも疲れていて、週に一度とか、数日に一回だけ、数時間、自分のストレス発散する時間。好きな事する時間。横になって、別の部屋で休む時間をもらっていいかなと。奥さんがいいよというときは、奥さんにまかせましょう」
など、「まず妻に相談すべき」との書き込みが寄せられたほか、
「一時保育に預け、2人とも時間を作ってみるといいですよ!休むのは悪いことではないんですよ。働いて、休まないと頑張れない事だってあります」
「考えて悩むより、やる時はやる、抜くときは抜くで良いんじゃないでしょうか?これ以上やったら・・・、そこで自制するのは自分でできるはずです。自己管理をしなきゃいけません。誰のため?自分のため、家族のためにですよ」
など、「頑張りすぎず、休んで」との励ましも。
仕事については、自営だから時間が取れるわけではない、会社勤めより大変になる、などの理由から、「辞めるべきでない」という意見がまさっている。
育児中に父親が情緒不安定になることを、「マタニティーブルー」になぞらえて「パタニティーブルー」という。
妊娠・出産・子育て情報サイト「パピマミ」では、パタ/マタニティーブルーの予防・解消法として、
「夫婦間でコミュニケーションをしっかりととる」
「育児でお互いを責めず、相手のありのままの姿を受け入れる」
「一人で抱え込まずにパートナーや周りの人を頼る」
「産前から産後の生活をイメージしておく」
「たまにはお互い1人の時間をもつ」
の5つを挙げている。
また、京都府の公式サイトには「子育てお疲れチェック」のページが設けられている。疲れているとの診断が出たら、上で紹介した5つを実践する、専門機関に相談するなどの対策を取ろう。(MM)