日常の姿で接しラクな相手と
A子さんは続ける。
「飾らないところを見せ合える関係って、いいですよね」
美人で非の打ち所のない彼女のもとにはきっと、飾り立てたデートのお誘いがたくさん舞い込んでくるのだろう。だからこそ、本当に心を許せる相手とは、飾らない牛丼屋、飾らないファミレス、飾らない安居酒屋に行きたくなるのかもしれない。
私にも、ちょっと分かる気がする。女も30代になれば、異性の背伸びした姿よりも「そういうところ」が見たくなる。好きな相手に求めるものが、「非日常」から「日常」に変わるのかもしれない。日常の姿で接して、ラクな相手と一緒にいたい。もっといえば、一緒にいてラク、かつ楽しませてくれる相手がいい......ってことかもしれない。贅沢だろうか、うん、おおいに贅沢なんだろうな。(北条かや)