飾らない姿を見せ合える仲なら 背伸びせず牛丼屋で落ち着ける

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   先日、本コラムで「グルメ嫌い」について書いたところ、ある女性から「すっごく、よく分かります!」と、嬉しい共感のメッセージをもらった。私はコラムで、「グルメぶる人や、グルメな人が苦手だ」と書き、「資産もなく、将来不安から貯蓄にはげむ一般庶民が、食べる物にむやみやたらとお金をかけるのが理解できない」と大きなことを述べた。よく考えれば失礼千万、ちょっとひねくれた上から目線の自己主張に、まさか共感してくれる人がいようとは。しかもその女性、とってもモテる美人なのである。

  • 飾らない自分を受け入れてくれる相手と
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「本当に好きな人とは......」

   彼女(A子さんとしよう)は30代前半。誰もがあこがれる職業に就いており、私の周りにはA子さんの個人的なファンも多い。ふんわりした雰囲気の可愛らしい女性で、容姿も声も美しい。同性からも異性からもモテる、非の打ち所のないタイプだ。そんな彼女であるならば、ステイタスの高い男性からの「グルメなお誘い」もあるのでは?

「デートで素敵なお店に連れて行ってもらったり、高くて良いものをいただいたりっていうことはありますけれど、やっぱり、本当に好きな人とは、牛丼屋さんやファストフード店にも一緒に行ける関係がいいですよ」(A子さん)

   そうそう、そうなんである。背伸びした場所、背伸びした消費、背伸びした関係。20代のころはすべてがキラキラして見えたものが、30代は違う。私たちはもう「落ち着きたい」のだ。もちろん、私とA子さんでは、見てきた「キラキラ」のレベルが全く違うけれども......。

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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