25年ぶりセ・リーグ優勝を果たした広島東洋カープと、「二刀流」大谷選手を擁して大逆転でパ・リーグを制覇した北海道日本ハムファイターズの対戦となった日本シリーズは、毎試合日本全国を沸かせ、ファイターズが2連敗から4連勝で劇的勝利を収めました。シリーズ終了後多くのメディアが勝因分析を綴る中で、栗山監督のチーム・マネジメントがクローズアップされ、企業経営の観点からも大変興味深く読ませてもらっています。
注目はコミュニケーション力
それらの記事を総合してみると、栗山監督の優れた指導性は、「的確で臨機応変な采配」「若手を育てる力」「選手を惹きつけるコミュニケーション力」の3点に集約されると感じます。
中でも一段と大きく取り上げられているのは、「的確で臨機応変な采配」です。広島カープ緒方監督が「勝利の方程式」と称された中継ぎ投手起用パターンにこだわりすぎたのを引き合いに出して、栗山采配の臨機応変さを語っている記事も多くありました。ただし、采配はある意味時の運でもあります。栗山采配については、やや過大に評価されているようにも感じます。
むしろ、私が注目しているのは、3番目に挙げた栗山監督の「選手を惹きつけるコミュニケーション力」です。その高い能力を示す数多くのエピソードの中に、私が特に引きつけられたものがあったので紹介します。