本当に幸せに働ける環境とは
東洋経済オンライン(2016年10月23日)では、現役インフラエンジニアのぼへぼへ氏が、
「今の業務を週4日で終わらせないといけないってことですよね。システム開発も締め切りのある仕事。休んだらその分遅れます。いくらAIが発達したとはいえ、まだまだ人がやらなくてはならない仕事はいっぱい」
と、現状ではまだ難しいのではないかと消極論を述べている。
NEWSポストセブン(16年9月27日)でも、社会保険労務士の稲毛由佳氏が次のように問題を指摘する。週休3日制を大がかりな「シフト制」の意識で導入すると、人不足の曜日ができたり突発的な事態が起きた場合に、「特別な用事もないので、私が休みをずらして出ます」などの申し出が生じ、逆に休日を取り損なうおそれも出てきて、
「その結果、振替休日(代休)が溜まり、年次有給休暇がますます消化できないなど、休み自体が形骸化しかねません。週休3日にしたはずが、週1日しか休みが取れない逆転現象が起きたり、残業時間がよけいに増えたりしてしまっては意味がありません」
ヤフーのピープル・デベロップメント戦略本部の湯川高康本部長は、ハフィントンポスト日本版のインタビュー(16年10月31日)に対し、
「まだ検討段階なので断言するものではありませんけれど、目指しているのは特に所得を減らしてっていうことではない」
「別に休みが増えることだけが唯一のゴールでもないと思いますし、いろんな人が本当に幸せに働いていけるような労働環境が整っていけば」
などと語っている。
多様な働き方が模索される一方、長時間労働がなかなか解消されず、将来的には人口減少による働き手不足が憂慮される現在、「週休3日制」がどのように社会に受け入れられていくのか、要注目だ。(MM)