それは「組織の病」の自覚症状
「意見を出させる会議は、フランクに話せる4人ぐらいのグループ会議を分科会的に実施して、そこに社長は出席しないことです。分科会で出された意見を全体会議で集約することにすれば、意見はいくらでも出るようになります」
さらに社長に対してもう一言。
「議論を目的とする会議は、社長への報告会でもご自身の演説会でもありません。社長といえども一参加者として他の参加者と同じ立場であることを十分ご認識いただき、『会議を使って説教するなどエラそうにしない』『参加者のどんな発言も人事評価の対象としない』ことを席上で宣言してください」
これを実行するだけで、会議は大きく変わります。
「会議は組織風土を体現する」が、長年様々な組織を見てきた私の実感です。会議運営のお悩みは、実は「組織の病」の自覚症状なのです。
独断専行リスクを感じさせる、行き過ぎたワンマン体質の変革、高齢経営者の次世代へのスムーズなバトンタッチも、まずは社内のフォーマルコミュニケーションである会議改革から手を着けることが重要なのです。会議運営上の問題を決して甘く見ることなく、最優先で取り組んでいただきたいと思います。(大関暁夫)