もう「3K」とは呼ばせない 身だしなみ徹底でCS度アップ

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   読者の方もよくご存知の「CS」という言葉。カスタマー・サティスファクション(Customer Satisfaction)の略で「顧客満足」という意味ですが、私の研修の専門分野の一つでもあります。

   「CS活動」というと対面での接客、お客様と直接関わりのある方だけが取り組めばよいと思っていませんか? 実は、この言葉には「商品・サービス」、「価格」、「手数料等」、「アフターサービス」、「役員・社員の言動」、「企業イメージ」、「コンプライアンス遵守」など様々な要素が含まれています。今回は、その中でもとくに「企業イメージ」をキーワードにお話しします。

  • 清掃+身だしなみ=好感度↑
    清掃+身だしなみ=好感度↑
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清掃だけでは足りない、と

   私が研修を担当しているその会社は、俗にいう「3K」業界です。同社では、汚い、危険、きついというイメージを変えようと、社長を先頭に役員・社員が率先して、敷地内はもちろん近隣道路の清掃も徹底し、ゴミひとつ落ちていないという形容が大げさでないほど清潔な環境を保っています。

   また地域のお祭りなどにも積極的に参加し、近隣住民とコミュニケーションを取り、要望に対してはできる限りの対応をすることで、今では地元で知らない人がいない有名企業となりました。

   しかし、そうした取り組みを知らない方にとっては、相変わらず「3K」イメージが払拭されません。そこで社長は、さらなる自社のイメージアップのために「社員の身だしなみの徹底」を指示しました。

   これまでは、自社と周辺の清掃活動を中心にイメージアップを目指してきましたが、身なりは、茶髪でも、少々無精ひげが伸びていても、制服に汚れがあっても許容されていました。しかし、浅黒く日焼けした顔に茶髪(時には金髪)、無精ひげでは、取引先や一般のお客様の受ける印象が良くありません。3Kといわれる仕事だからこそ、そこで働く社員は清潔感溢れる身だしなみにしようと決めたのです。

   先日、数か月ぶりに会社を訪問すると、女性社員はもちろんですが、男性社員も黒髪で、無精ひげの人はいませんでした。髭を生やしている人はきれいに整えています。

   私は、研修を通して社員の方々の優しい、真面目な人柄を知っていますが、最初は正直ちょっと威圧感があって近づきがたい印象でした。それが、身だしなみを整えるだけで、こうも印象が変わるのかとつくづく感じました。そして、清掃活動と社員の清潔感とがピタリとマッチして、社長が求めている企業イメージそのものだと思ったのです。

   どういう会社に見られたいかという「企業イメージ」に沿った服装、言動が役員・社員には求められます。日頃指導をする側の私にとっても、改めて気づきを得た事例です。(篠原あかね)

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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